The PageOne Times

# The PageOne Times 6/24 朝刊

6月24日(水)おはようございます。ページワンスタジオです。
本日も、クリエイティブ業界の動向をざっとみていきましょう。

#今日の世の中の空気

日経が「30年ぶりの金利1%、あなたの生活どう変わる?」と題し大特集記事を自社メディア上で公開している。利上げの実感が生活者に届き始める週だからかもしれない。人々がお金を借りる際の基準となる金利を1%に引き上げることで、どういった影響があるのかを、「物価抑制」「消費」「住宅ローン」「預金・年金」「企業の資金調達」「企業収益」「再建運用」「ドル円相場」「政府の利払負担」の9つの項目に対して、良い、どちらもない、悪いの3つで評価している。それぞれの影響を見ていると、良い面もあればよくない面もあり、実に30年ぶりという水準にまで上がった政策金利の将来的なインパクトを考えると、大丈夫だろうかこの国、この社会と、私の生活、と余計に不安が募っていく。
一方、明るいニュースとして月面を生活圏にする「ムーンテック」構想が動き出しているとのこと。なんだかよくわからないが詳報は日経クロステックのオンライン記事を読んでいただきたいのだが、どうやら米中競争の新たな舞台は「月面」にあるそうだ。KDDIなどは月面5G通信網の開発に乗り出しているとのこと。ほかにブリヂストンは探査車向けのたわむ金属タイヤを開発しているなど、日本勢もこれを商機と張り切っている。よい結果につながるといい。
「足元の家計不安」と「宇宙規模の未来」が同じ朝刊に並ぶ、スケール感の振れ幅が大きい水曜日。そして今日から、マーケティングWeek夏展が東京ビッグサイトで3日間の会期を迎える。業界の今が凝縮された展示会が始まる日として、今週のクリエイティブ業界にとって重要な節目になりそうだ。

では、世の中のことをざっとおさらいしたところで、クリエイティブ業界ではどういう動きがあったのでしょうか。さっそく見ていきましょう。

 

#広告・CM・宣伝

① マーケティングWeek夏展——本日開幕、9専門展が東京ビッグサイトに集結
マーケティングWeek夏展が本日6月24日から26日まで東京ビッグサイトで開催されている。ブランド戦略・PR、デジタルマーケティング、SNS・インフルエンサー活用など9専門展で構成。各企業の出展ブースやセミナーでどんな話が聞けるのか期待大だ。
主観:今年から「AIゾーン」が新設され、マーケティング領域にAI活用サービスが一気に広がる可能性がある。「AIを使っているか」が差別化の時代から「AIをどう使うか」の知見競争の時代へ突入。展示の傾向が業界の1年後を示す先行指標になる。

#広報・PR・マーケティング

① 「電通:日本の広告費」20年の変化——インターネット広告がマス4媒体を大きく上回った
MarkeZineが「2006-2026:電通『日本の広告費』から読み解く過去20年の変化」を特集している。日本のインターネット広告費がマスコミ4媒体の合計を大きく上回る水準に達したことが改めて可視化されたのと同時に、広告主側のこの20年間の変化についても注目点となる。
主観:20年でメディアの主役が完全に入れ替わった。広告が茶の間の娯楽でなくなってから久しい。しかしこの数字を前にして「テレビCMはもう終わった」「デジタルだけでいい」などと言い切ることは誤りだ。問いは常に「誰に、どこで、何を、どう表現すれば、振り向いてもらえるか」だ。生活者の興味・関心が分散している時代だからこそ、それぞれのメディア特性にあった訴求表現があるはずである。

② 「パワーファミリー」市場——富裕層とは違う「動くお金」の消費構造
「パワーファミリー」という新しい消費者セグメントが注目されている。聞き慣れないワードではあるパワーファミリーだが、はやい話がライフステージを先にすすめた元「パワーカップル」ではある。彼らはコスパよりもタイパを意識し、時間をお金で買うことに躊躇しない。富裕層とは異なる「動くお金」を持ち、市場を動かす消費構造を持つ層として分析されている。
主観:パワーファミリーの構成員は、自分の尺度で物事の要不要を判断し、お金をつぎこむ分野をある程度決めている、いわゆる「手ごわい消費者」かもしれない。衝動買いが少なく、感情に流されにくい、ともいえる。だとすると情緒だけのコピーはほとんど刺さらないだろう。「豊かな暮らしを」「家族の笑顔のために」みたいな文脈は、彼らにとってはむしろ「わかってない」と感じさせるリスクがある。おそらくもっと現実的な価値判断軸で「わたしの時間を返してくれるか?」をみている。だとすれば、クリエイティブの目的は「あなたの状況を正確に理解している」という信頼の獲得かもしれない。

③「ぬいぐるみ界隈」市場拡大——大人の相棒として機能する新たなIP展開
「ぬいぐるみ界隈」として大人がぬいぐるみを相棒として持つ市場が拡大中。注目サービスと界隈インサイトが分析されている。
主観:大人はそれほどに疲れているのだろうか。あるいはそれほどに孤独なのか。先日の朝刊でも紹介したPostPet「モモ」の再評価と根っこは同じ話に感じる。デジタル化が進むほど「触れるもの」への欲求が高まっているようにもみえる。「ぬいぐるみ」というアナログな「体温」の価値が、AI時代で逆に上昇している。

「縦型動画広告」の急成長——15〜60秒が新しいCMの標準に「縦型動画広告」の急成長——15〜60秒が新しいCMの標準に
2026年現在、15〜60秒の縦型動画広告がスマートフォンのフィード体験に自然に溶け込む形式として急成長。視聴完了率が高く、10〜30代へのリーチに強みを持つ。
主観:「縦型」というフォーマットの変化は、コピーと映像の設計を根本から変える。横長のテレビCMと縦型のスマホ動画では、「どこに目が行くか」「何秒で離脱するか」が全く違う。フォーマットに合わせたクリエイティブ設計の知見がクリエイティブに求められている。

#今日の編集部ピックアップ

広告費20年の変化が示す「問いの変化」
今週最も対比として面白かったのが、広告費20年の遷移からみる「問いの変化」だ。この数字は単なる媒体シェアの話ではない。「広告とは何か」という問いそのものが変わったことを示している。マス広告の時代、問いは「どのメディアに出すか」だったのが、デジタルの時代になり、問いが「誰に届けるか」に変遷した。そして今、消費者がチャネルで考えなくなった時代の問いは「どこでもシームレスな体験をどう設計するか」に変わっている。」

クリエイティブの本質は『何を言うか(what to say)』と『どう言うか(how to say)』のふたつに尽きる。でもそれを考えるには、相手がどんな人で、どのメディアで、いつ、何を伝えるのかを知らなければ始まらない。媒体が変わり、フォーマットが変わり、AIが登場しても、その問いの立て方は変わらない。なぜなら、伝える相手は常に生活者であり、人間だからだ。わたしたち作り手は、いつも人を見据えている。

今日から開催のマーケティングWeekの会場で飛び交う言葉の中に、その本質がどれだけ残っているかを確認してみてほしい。

以上、本日の朝刊でした。
それでは本日も1日、ページワンスタジオをどうぞよろしくお願い致します。

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
旧年中は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました。

昨年も弊社の広告制作物が、2025年日本産業広告賞雑誌部門にて第3席の評価をいただきました。

弊社は本年も引き続き、デザイン・クリエイティブの力で、お客様のビジネスをしっかりと支援してまいります。

2026年も変わらぬご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

2026年 元旦
株式会社ページワンスタジオ
代表取締役 青木 唯史